「あくまでも広告であることを忘れてはいけない」
海外の成功事例は、どのような目的を達成したのかということに注目
デジタルサイネージはロケーション、つまりその場所自体がメディアなのです。例えば、渋谷の交差点へデジタルサイネージを設置することに意味があり、同じものを他の地域に設置しても効果があるかどうかはわかりません。そう考えると、海外で成功したからと言っても、日本でも成功するとは限りませんよね。ただし、その事例がどのような目的を達成したのかということは注目する必要があります。やはり、ここでも目的が重要となってくるわけですが、設置する地域の習慣や場所などの特性を生かす方法でなければ失敗してしまう恐れがありますね。
それが日本で最適なツールとなるかどうかは別として、私が注目している海外事例と言えば、イスラエルで開発された顔認識をしてコンテンツを切り替えたり、その結果を男女年齢別に検証してレポートを作成するデジタルサイネージです。これは最先端の技術を搭載しながらも、敢えて広告に特化させています。海外のデジタルサイネージはとてもシンプルですよ。インタラクティブ性や高機能性を追及している国は日本くらいではないでしょうか。
海外の使用例
デジタルサイネージに求められていることは、セキュリティー!?
日本では前述したイスラエルの事例のような顔認識技術を使って、カウント以上の機能を追求しているようです。例えば「この人は昼に来て、夜にも来た」という個人特定や、「この人は犯罪者や指名手配犯」というようなセキュリティー分野へと進化しようとしているデジタルサイネージもあります。しかし、それは本当にデジタルサイネージなのか? と疑問に思ってしまいますね。広告でそれをやってしまって良いのでしょうか? 実際のそのデジタルサイネージが街角に設置された場合、生活者から嫌悪されかねないですよね。日本人は発想がユニークですが、それを製品としてまとめる際のバランス感覚はあと一歩というところではないでしょうか。現場と生活者の感覚に隔たりがあるのかも知れませんね。
やはり、『ボタンの掛け違い』を防ぐためには、デジタルサイネージを使うための『目的』が見えないまま、目新しい技術に飛び付いて開発や導入を進めるのではなく、設置場所の特性を理解したり、ディスプレイを目線に設置するなどの『当たり前』なことを置き去りにしないことが大切ですね。 |