「次世代と詠われたメディア達の光と影と、抱えている同じ問題点」
ニューメディア、マルチメディア、リッチメディア…過去の「〜メディア」が生まれては消えていきました。なぜこれらは普及しなかったでしょうか?
そして来るデジタルサイネージとデジタルTV放送の普及のカギにも共通する問題が見受けられます…それは?
「ネクストメディア」という情報サイトでの連載ということで、「ネクスト」=次のメディアとはいったい何なのかというのを考えていく。
未曾有の不況でTVや新聞などのマスメディアに広告を出すほど予算の工面が困難となった2009年の上半期であったと思う。朝日新聞が創立以来の赤字となり、HDDレコーダーのCMカット・スキップ機能によりTVCMの広告効果にも疑問が感じられ、厳しい状態と思われる。
また、TV番組の、やらせや捏造の発覚が相次ぎ、情報の信頼性が疑問視されている。かといって、検閲の甘いインターネットの情報が優れている訳とは思えない。検索エンジンは意図的に構成され、目的の情報にたどりつけない場合が増えている。メールに至っては、迷惑(スパム)メールの量は凄まじいことになっているし、ブームであったmixiも、だれでもID取得でき、知人だけの信頼できるコミュニティという部分が薄れてきている。
個人の趣味の多様化がインターネットの情報の多様化に繋がり、特定の顧客へ情報を流し、ビジネスとする手段は難しい時代であると考える。
「ネクストメディア」とは、マスメディア、ネット情報を否定するのではなく、それらの情報を別の手段でビジネスとすることができないだろうか?というのを模索する場として、情報交換していくというのが目的である。
なので「これがネクストメディアだ」というのを定義する気は無い。このサイトを訪れていただいた、さまざまな分野のすべての方のお知恵を融合させ、目的を達成するべく活動していく所存である。
著者は、主にWeb3Dというインターネットブラウザに映画やゲームのような3次元コンピュータグラフィックスを表示する技術とビジネスを研究している。
平行して、Flashのアニメーションや動画の研究もしている。さらに2007年にマスコミを騒がせた「セカンドライフ」などの「仮想空間」と呼ばれるものも、この延長にあり、研究対象にしている。
これら静止と文字から脱却して、「ネクストメディア」として、これを総称して「Webリッチメディア」と呼んでいるか、当然だがまったくといって良いほど認知されていない。
この中で、一般の方まで浸透したのは、Flashのアニメーションだけではないかと思われる。YouTubeやニコニコ動画なども一般の方にもやっと広まってきた状態である。しかし、採算があうビジネスには至っていない。
過去にも1980年代にはニューメディア、90年代にはマルチメディア、2000年ごろには「ユビキタス」、2004年ごろから「Web2.0」というように「ネクストメディア」を目指したものは多くあった。これらはいくつか成功事例もあるが、本当に大きく世の中の動向を変えたとは考えられない。
まず、「ネクストメディア」を考える上で、過去の広まらなかったメディアのそ原因は何だったのかを考えてみる必要があるだろう。
1.始めるきっかけがない
そのメディアの情報を得ることで何かメリットになるものがなければ、金銭的・人為的な投資をする意味が見出せない。現在の情報でも十分過ぎる場合が殆どである場合があるからである。本やホテル、航空券、保険などネットであるゆえに安いというのが判りやすいだろう。
下世話ではあるが、レンタルビデオやインターネットがアダルトを目的として発展したことは否定できないだろう。
2.広告としてのメリットが見えない
「1」と連動するが、情報配信はお金がかかる。マスメディアもネットも広告効果を見込んで無料で配信している。どれくらいの人が見ているかという「数字」が基本となるため、現在の検索エンジンや地上波のTV放送が、そのための手段を選ばないという状況が生まれてしまう。少数しか見ていない場合には情報の制作の採算が合わないということで、となると情報の質が低下し、「1」の理由がなおさら見出せない悪循環になってしまう。
3.技術的・金銭的な敷居が高い
特定の機器、最新機種を買わないと見ることができない場合が多いメディアは、やってみたくても諦める大きな理由になっている。ネットの契約、接続、OSの設定、ソフトのインストールのすべてが面倒であり、敷居を高めている。携帯も限界まで操作法や契約が複雑であるのは明確だ。私の専門とする3D空間はマウスやキーボードで動き回ったり視線を変更する操作が非常に困難で操作できない方が多く存在する。
TVの優れている点は、アンテナと電源とチャンネルというシンプルな構成であることが挙げられる。任天堂のWiiはそれに近い感覚をコンピュータに持ち込んだことが成功の理由だろう。
4.情報の伝達手段の制限
地上波デジタル放送では、TVにB−CASカードというのがあり、見ることが可能なチャンネルが制限されている。有料放送へ向けた処置であるが誰でもアクセスできないメディアは広げることが難しい。ネットでは、会社や学校では独自のソフトプラグインインストールが禁止である。また、ファイヤーウォールというセキュリティにより一般の情報以外は防御されてしまう。個人のパソコンでもウイルスというソフトが入らないようにするために、どうようの処理をウィルス対策ソフトが行う。これは企業も個人もその秘密情報を漏らさない様に配慮しているからである。よって新しいメディアのための通信手段自体が新しい場合、その手段の制限があるとそれを乗り越えることが難しい。
では、こういった反省点をどうやってネクストメディアとして改善していき、広めていくのが良いのだろうか?前述したが、それに完全か答えは無い。ただ、その可能性やヒントが見える事例を紹介していきたい。 |